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都倉 達弥TOKURA, Tatsuya

正会員
左官/東京都練馬区

大分で原田進親方の弟子だった時間は、職人さんからもいろいろ教わり勉強になりました。その後1年間ドイツに武者修行に行き、東京の勝又久治さんの下でも2年修業させてもらいました。勝又さんに千石の左官・榎本新吉翁のところに連れていってもらいました。「それで、左官屋はどんな壁を塗ればいいの?」と聞かれ、どきどきしながら「空間に対してこんな壁を」などと言うと、榎本さんは「そうじゃないよ。一生懸命塗った壁だろうよ」。ドイツで見聞を広めたつもりで調子に乗っていた自分への一喝だった気がして、心に残りました。それからもときどき思い出して、「この壁、一生懸命塗っているか」と自分に聞いています。

これから、もちろん左官の仕事が広まればいいと思いますが、中途半端に広がるのはいやだなと思っています。暮らしや資源の循環に役立ち、地に足をつけて普通の価値観を上げていくことに寄与できるような左官が理想です。

1987年生まれ。父は大工の2代目で、兄が大工に。一緒に家をつくる仕事がしたいと左官に。高校時代サッカーで全国大会にまで出場したが、海外への遠征費などで負担をかけた父に恩返しにもなるだろうと考えた。卒業後、大分・日田の原田進に弟子入り。日田での5年半で多くの友人ができた。現在は全国で仕事を請け、設計士からの依頼が多い。ドイツ・アーヘン工科大学サマースクール(マンフレッド・シュパイデル博士のカリキュラム)での指導は、久住章、原田進のあとを継いだミッションで、ここ数年は藁葺き職人、庭師と一緒に出かけて学生を教えている。

左官都倉  東京都練馬区大泉学園町5-33-10
Tel. 080-1207-4579

介護施設に食事を提供する「グランフーズ」の東京事務所。設計の高野保光さん(遊設計空間)から、イタリアで見たカルロ・スカルパの壁をとオーダーをもらった。ウルトラマリンブルーにいろんな色を加え、ニュアンスを出している。

介護施設に食事を提供する「グランフーズ」の東京事務所。設計の高野保光さん(遊設計空間)から、イタリアで見たカルロ・スカルパの壁をとオーダーをもらった。ウルトラマリンブルーにいろんな色を加え、ニュアンスを出している。

藁葺き職人の相良育弥さん(くさかんむり)、庭師の山口陽介さん(西海園芸)と、竹中大工道具館(神戸)で2016年に開催されたエバレット・ブラウンさんの展覧会の会場庭でおこなったインスタレーション『レンズの中』。内部と軒納めが左官仕事。展覧会後は保育園にもらわれていった。

藁葺き職人の相良育弥さん(くさかんむり)、庭師の山口陽介さん(西海園芸)と、竹中大工道具館(神戸)で2016年に開催されたエバレット・ブラウンさんの展覧会の会場庭でおこなったインスタレーション『レンズの中』。内部と軒納めが左官仕事。展覧会後は保育園にもらわれていった。

登米市懐古館(宮城県)のエントランスのための土を採る。今野等さんの協力で現場の1.5キ ロ圏内から3種類の土を準備でき、荒縄用としてはじかれた藁をスサにして混ぜ、塗ることになった。

登米市懐古館(宮城県)のエントランス。設計は隈研吾建築都市設計事務所。竹をわった横材を張り、地元の3種類と藁スサを混ぜて、塗った。

八幡屋旅館(福島県石川町)の増築した別館のエントランス。現場近くで取れる雲母入り土の黒い洗い出しの壁に、地元産の石を埋めた。

八幡屋旅館(福島県石川町)別館へ続く本館エントランスの一部。ラインは2センチほど土を盛り、ワイヤーブラシで掻き落としにしている。

ドイツ・アーヘン工科大学サマースクールの様子。都倉さんと話しているのが、ブルーノ・タウトの研究家であり、日本語も堪能で、左官に造詣の深いマンフレッド・シュパイデル博士。

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