• 会員紹介 / 正会員 – 西川 和也

西川 和也    NISHIKAWA, Kazuya

正会員
左官/三重県伊勢

「三重県の伊勢で左官をしています。伊勢神宮や「赤福」さん、県内の文化財や住宅や店舗の仕事を主にやらせてもらっています。

伊勢磨きは、糊を使いません。また、伊勢地方では、漆喰の押さえものでも糊を入れず真捏ねです。そういう環境で仕事してきたせいかもわかりませんが、私は左官職人の中でも混ぜ物を最小限にしようと考える「素朴派」だと思っています。材料・技術の実験と新しい工夫が大好きです。


工房カズ代表。1966年三重県伊勢市生まれ。15歳で左官の道へ。10代の途中から近所の「野丁場」で修行、礼奉公2年を加え合計7年を経験した。その後、父親の営む「町場」へ。1998年に、「工房カズ」を設立。伊勢神宮の仕事や「赤福」の伊勢磨きなどに携わり、材料や技術の研究をおこなう。土という材料の根源的な力を理解し、その力を最大限に引き出すことを目指す。
竈の仕事も多く、「おくど暖炉」などを考案した。火にまつわる仕事も左官の本来的な仕事であると考えている。2008年頃、焼かない土による磨きの火鉢をつくり、石灰をまったく混入しない独自の「土だけ磨き」を編み出す。
近年は文化財関係の仕事が多く、2011年には高田本山専修寺御廟改修、2012年に川喜田半泥子の茶室移築復元、2012年亀山城多聞櫓復元修理、現在は豊宮崎文庫(国指定史跡)の土塀改修工事などにあたる。

工房カズ
三重県伊勢市二見町西842-3
Tel. 0596-42-1328 Fax. 0596-42-1341
関連サイト:工房カズ

伊勢神宮(内宮) 宇治橋手前「洗い出し」仕上げ(2009年、伊勢市)。無筋の90m²の土間を短期間の工期で仕上げた。クッション砂、誘発目地などを工夫して施工。次回の遷宮までの間、たくさんの人がこの上を歩く。
寂照寺(2006-2009年復元、伊勢市)。お経を安置するお堂で、創建後240年くらいの建物の復元。解体から完成まで6年かかったが、最初の2年間は中塗り土の試験に費やした。
「茶匠」の白い竈(伊勢市)。伊勢内宮前おかげ横丁の伊勢茶や抹茶などを販売するお店。この白い竈は、フォルムが気に入っている。「伊勢磨き」の竈の仕事は尾崎孝行さんが親方。
五十鈴茶屋(2008年、伊勢市)。この茶屋では6種類の虫籠窓をつくった。この写真に、そのうちの1つが見えている。
五十鈴茶屋2階の展示室(2008年、伊勢市)。小豆色に近い赤錆土(丹波篠山)の大津磨き。
田んぼの土を、素焼きをせずに作った「手あぶり(火鉢)」。仕上げは伊勢磨きで、仕上げノロに10%の石灰を入れてある。
萩原邸の「土磨き」(2009年、伊勢市)。玄関小上がり床壁は「土磨き」仕上げ。