• 会員紹介 / 正会員 – 渡辺 真

渡辺 真    WATANABE, Makoto

正会員
左官/山梨県富士吉田市

父の跡を取り会社の代表となってから数年経ちますが、まだまだ父から吸収することは多いです。仕事の段取り、多くの応援を頼んだときの現場の人の配置。仕事の組み立てについても、常に人の眼に触れる壁はどこか、どういう順番で進めればよいか、材料の手伝いに来てはアドバイスしてくれます。地元・山梨では玄関のタイル、モルタルなどの仕事が多く、土壁や漆喰の仕事は年に数度。こういう仕事も増やしていければと思います。

好きなのはなでもの仕上げです。磨きのように何度も鏝をあてるのではなく、一瞬でさっと仕上げなければならないだけに緊張感はありますが、面白みを感じます。モットーは、どんな仕事でも断らずチャレンジしてみる、人に協力を頼んだりしながら新しいことを学んでいくことです。今後も、仕事をまかせてくださった人に、「頼んでよかった」と言ってもらえるような仕事をしていきたいと思います。


1979年生まれ。祖父はレンガ職人でカマドつくりが得意だった。父の代から左官となり、地元・山梨で珠玉屋(たまたまや)を興した。「たまたまの出会いを珠玉となす」が社名の由来。本人は、高校卒業後3カ月間イタリアに旅し、カルチェラサータなどイタリア出自の左官仕上げをザルディーニ氏から教わる。その後、京都の久住誠さんの下で1年修業し、珠玉屋で父と一緒に仕事するようになった。父の引退を機に、35歳で同社の代表となる。

珠玉屋
山梨県富士吉田市富士見1-5-32
Tel. 0555-24-2214

「葦の芽幼稚園こどものもり」(宮城県気仙沼市)。震災後、日本ユニセフ協会などの支援で薩田英男さん(薩田建築スタジオ)が設計。子どもたちに家にいるような安心感をということで、鹿沼土と少しの顔料を混ぜた温かい色合いの漆喰で仕上げた。写真/北田英治 協力/『コンフォルト』(発行 建築資料研究社)
「葦の芽幼稚園こどものもり」(宮城県気仙沼市)。震災後、日本ユニセフ協会などの支援で薩田英男さん(薩田建築スタジオ)が設計。子どもたちに家にいるような安心感をということで、鹿沼土と少しの顔料を混ぜた温かい色合いの漆喰で仕上げた。写真/北田英治 協力/『コンフォルト』(発行 建築資料研究社)
山梨県の山中湖畔のある地域につくった黒い大津磨きのカマド。小沼充さん、西川和也さんにも応援してもらった。耐火レンガを積むところからやらせてもらい、父のカマドの技術を受け継ぐ良い機会となった。カマドは、地域の餅つきなどのときに活用されている。