《中国・上海》「生土礼賛」展、開催中

土をテーマにした、中国・上海では初めての大規模な展覧会「生土うぶすな礼賛らいさん」展が3月17日まで開催されています。

中国各地には版築をはじめ、もともと土で建築をつくってきた文化がありますが、この伝統的でエコロジカルな素材を、建築、科学、アートを横断した視点で捉え直し、探求しようというものです。

日本からは、キュレーターとしてアーキテクチャースタジオ「KUMO」、コダマシーン、学術支援として岐阜市立女子短期大学 畑中久美子研究室、招聘アーティストとして、スギサキハルナ、鈴木晋作らが参加しています。土の実物、版築のサンプル、模型から、アート、インスタレーション、映像、さらには粘土の原理が体験できるコーナーなど、見応えのある展示が展開されています。

なお、会場の明珠美術館は2017年のオープン、美術館と書店を組み合わせた施設で、安藤忠雄が設計しました。大型ショッピングモールやオフィスを備えた複合施設「愛琴海購物公園」の8階にあります。

今展のオープニングにあたっては、日本左官会議事務局から「日本でも伝統的な建築には土が使われており、現在もその技術は継承されている」ことを伝えるビデオメッセージを送りました。

土を通して日中が交流することも意義があると思います。 興味のある方は会期中に訪問してはいかがでしょうか。

最初のメッセージ「私は土だ」。展覧会は、「土の誕生」「土の性質」「土に生きる」「土とアート」「土に触れよう」の五章から成る。
中国各地で集められた土や弁柄、雲母などを使ったスギサキハルナの作品。
中国のさまざまな地域から採取された土や、それを使ったオブジェが展示されている。
KUMOと鈴木晋作による共同制作によるインスタレーション《“土”与“回忆”的隧道》「土と記憶のトンネル」。竹を編んだベースに土を塗っている。
現代の版築とその模型。
KUMOのインスタレーション《心之所响的“土”的音乐》「土の音楽」。50本のガラス管の中にはそれぞれ量の違う土が入っている。来場者は用意されている棒で叩き、土の音を聴くことができる。
KUMOと畑中久美子の共同作品《心之所向的“土”的风景》「大地の風景」。上海を現した巨大な土のテーブルで、来場者も制作に参加することができる。

「生土礼賛」展

日 時2023年12月16日(日) 〜2024年3月17日(日)
会 場明珠美術館 Pearl Art Museum(中国・上海)
入場料80元
下記のサイトのQRコードよりチケットの購入等が可能
https://mp.weixin.qq.com/s/OSuIsCDMuqAcdPdXvO-r6A

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